1線超えたお兄ちゃんとの恋物語

〈side 凛〉


ちょっ、ちょっ、ちょっとっ。

急に抱きついてくるのはないでしょ!


「柚太くん?」


そろ~りそろ~り、と手を柚太くんの背中に回した。


「……可愛い可愛い可愛い。もう無理……」


「え?柚太くん?……んっ……」


正面に柚太くんのどアップの顔。

甘い。

クラクラする。

柚太くんもやめる気がなさそうで中に熱いものが入ってきた。

ちょっ……、ここ中庭……

学校内でこういうことをやってはいけないと思うけれど柚太くんに逆らえない。

っあ~もぉ~、息がきつい。

それを表すかのように柚太くんの裾を引っ張る。

でもやめてくれない。

もう1回裾を、今度は強めに引っ張った。

そしたらやっと……


「もっと長くする予定だったのに。」


やめてくれた。


「長いよっ。しかもここ学校だよ!?」


「それでも抵抗しなかったじゃん。」


「それはそうだけど……」


「だからだよ。」


む~。


「店回るか、俺の家来る?」


「柚太くんの家、行きたい!」


「じゃ、行こう。」


と歩き出した。
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