1線超えたお兄ちゃんとの恋物語
〈side 咲良〉
奏くんからはこうLINEが来た。
『ごめん、今、大量の女子たちに囲まれてるから行けそうにない。』
奏くんが囲まれてるのは嫌だけど場所教えてくれないしいっか。
となるとどこ行こう?
ちら、と中庭をのぞいてみた。
ちょうど見えるしね。
そしたら柚くんと凛の距離が0になっていて慌てて見るのをやめた。
上手くいったんだ2人。
「あっ、咲良ちゃんだ~。」
と誰かが話しかけてきた。
「萌乃ちゃん?」
「うん!あのさ、蓮ってどこにいる?」
「店にいると思うけど……」
「それがいなかったんだ。どこにいるんだろう?」
と萌乃ちゃんが言ったときピロリン、とLINEが鳴った。
『さっきの告白、忘れてね。』
と蓮から来た。
よりによってなんで萌乃ちゃんがいるときに送ったんだろう。
「何て~?」
と私のスマホを見て固まった。
「あの~?」
「蓮、告白したんだ。」
「っあ~、うん。」
「私たち手を組まない?」
「えっ?」
「だから私は蓮が好きだけど蓮は咲良ちゃんが好き。でも咲良ちゃんは彼氏がいる。だから私と咲良ちゃんが手を組んで蓮を惚れさせればいいのよ。」
「そういうことか!いいよ、私、萌乃ちゃんと手を組む!」
「ありがと~。それじゃあ私のLINE置いとくね~。蓮、探しに行ってきま~す。」
「バイバイ~。」
と萌乃ちゃんは蓮を探しに行った。