1線超えたお兄ちゃんとの恋物語
これからどうしよう?
どこかの店に行くか。
確か体育館で歌上手&歌下手選手権をやってたはず。
面白そうだから行ってみよう!
───着いた。
今、誰が歌ってるかな~?
奏くんだ!
奏くんはMONGOL800の『小さな恋のうた』を歌っている。
奏くんの少し低い声がきれい。
「あの~、奏汰くんの彼女、ですか?」
「あっ……はい。」
そこにいたのは蘭さん。
「……いろいろと意地悪してごめんね。私、好きな人できたから。」
「は……い。」
「だから奏汰のこと吹っ切れたってこと。それだけ。」
と蘭さんはどっかへ行った。
もう奏くんを好きじゃないって伝えに来てくれたのかな。
それだったら嬉しい……なんて。
でも奏くんは今、女子たちに囲まれていない。
教えてくれればよかったのに……
なんでなんだろう?
まあいいや。
奏くんにドッキリしてみよっかな。
この名も『呼んでないのに来ていましたドッキリ』!
奏くんが歌い終わるまで待ってよ~っと。