1線超えたお兄ちゃんとの恋物語

数分待っていると蓮が出てきた。


「蓮~。」


「萌乃と晴輝……。どうした?」


「前のこと謝りたいな~って。」


そう私が言うと蓮は顔を曇らせた。


「前さ、私……蓮を嫉妬させたくて晴輝にキスしようとしたんだ……」


「……」


「でも晴輝には拒まれた。『そんなことしたら蓮に嫌われるよ』って。」


私はそこで気づいた。

していけないことに。


「本当に嫌われたな……」


嫉妬とかさせなくても蓮の愛は分かってた。

……何でこんなことしたんだろうな。


「……嫌いじゃないし。」


……え?

嫌いじゃない、って言った……?


「お前のこと嫌ってないけど、恨んではいる。」


だよね。

こんなことして恨まないわけがない。



「……もっと優しい言い方、ないのかよ。」


急にさっきまで黙ってた晴輝が言った。


「はぁ?」


「お前は結局、自分が良ければいいんだろ。」


えっ、ちょっ、待っ。

蓮にケンカ売らないでよぉ~。


「はぁ!?良くないし!?ちゃんと萌乃のことも考えてるし!?」


「なら傷つけない言い方を考えろよ。」


「傷つけないようにとか無理だろ。」
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