誰にも教えてアゲナイ!
紅茶は好きじゃないのかな?

何だか黙り込んじゃった。

鍋に牛乳を入れて…お湯も沸かして…。

牛乳、ギリギリ足りたわ。

明日、また買わなくちゃ。

飲み物の準備をしている間、彼は無造作に置かれていたファッション誌を見ていた。

「こらっ!また勝手にいじって!」

「だって、落ちてたから…」

た、確かにテーブルの下に無造作に置いといたけど……。

昨日の夜は眠れなくて、ガサガサと棚から引っ張り出して、そのまんまだったよ。

朝、片付けるべきだった。

いや、さっき上げる前に片付けるべきだった。

別に怪しい雑誌ではないけれど、散らかっているのはマイナスポイントだよね。

マ、マイナスポイントって、意識しまくりじゃん、私っ!

「ケーキ眺めて…チョコレートケーキ嫌い?」

カフェオーレと紅茶を入れて座った私は、フォークを持ったまま、ケーキを眺めていたらしい。

か、考え事してたからっ!

「い、いただきまーす!美味しいっ!フワフワだぁ!」

「チョコスポンジより、ガトーショコラが好きなんだけど…

奴らは子供だから…」



奴ら?

子供?

ボソリと小声で言ってきた、ひっかかるキーワード。

私は耳が良いから、聞き流さないもんねっ。

聞いちゃおうっと!

私は先程の件に対して学習能力もなく、確認しようとした。

「あの、さ…」

「あーっ!」

な、何だ!?
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