誰にも教えてアゲナイ!
阿呆女VS切れ長眼鏡
中学からの親友の律子こと、りっちゃんとお互いに休みを合わせてランチをする約束をしていた。



「げぇっ…」



待ち合わせのカフェに着くと、席には、りっちゃんともう一人が座っていた。

見るなり、幻滅した顔をしてしまい、嫌そうな声を上げた。



「随分と微笑ましい歓迎の仕方を有難う」



その当日、一緒に来たのは苦手な切れ長眼鏡男!

コイツが、くせ者すぎて私は何度会っても苦手。



「二人は犬猿の仲みたいだね、あははっ」



……そう思うんだったら、連れて来ないでよっ!

しかも断りも無しに毎回、毎回連れて来て…!

お前らはそんなにラブラブなのかよっ?



「百合ぃ、何を怒ってるの?」



心配そうに聞いてくる、りっちゃん。

親友かもしれないけどね、今日こそは言っても良いかな?



「今度からは、りっちゃんと二人で会いたいんだけど…」

私は恐る恐る、意見を述べた。

「んー?そっかぁ、ごめんね。何か二人を見てると面白いし楽しいから、三人でもいいかなって思ってたの」



絶句……の言葉が相応しく、りっちゃんの返事には驚いて言葉が出ない。

私は面白くないし、ましてや楽しくもないよ。



「俺だって別に来たくて来てる訳じゃない。無理矢理、だ。律子が頼むからだ」

「なら来るな…」

「言われなくても次からは来ない」



冷静沈着に顔色も表情も変えずに私に反論してくる切れ長眼鏡は、声のトーンも低い。



絶対、絶対、ぜーったいに来るな!


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