誰にも教えてアゲナイ!
妹の里沙ちゃん…か。

思い返せばこないだのメモ書きに書いてあった名前の里沙ちゃん。



「…そういえば、樹里ちゃんが話かけてきたよ」

「樹里が…?」

「うん。学校休みだってカフェに居たよ」

「ふうーん…樹里、話かけてきたんだ…。樹里にも里沙にも、百合子の事は言ってあるから、お隣りさんだし、百合子が出入りするのを見て顔を知ってたのかも…?」

「…樹里ちゃん、貴方の事見て逃げたけど…」

「樹里が…?……今は樹里の話はもういいよ。貴方とかアンタじゃなくて、名前で呼んでよ…」

「…りょ…う…って、どさくさで何をしてんのよっ!」



どさくさに紛れて、背中の中に手を入れてきた。

油断も隙もないエロガキめっ!


「…うぅっ…百合子は何の為に俺を部屋に上げてくれるの…」

「何の為…?」

そりゃ、最初は可愛いからいっか…とか、下心はあったけど…

今は、直ぐにはそーゆー事をしたくない。

壊したくないの、今のままの関係さえも無くなってしまうかもしれないから。

毎日、お茶しながら、たわいのない会話をして、バイバイして、明日を待つのが楽しかったから…。



「毎日、楽しかったからだよ…一人暮らしは寂しいし…」

「それだけ?…まぁ、いいけど。ねぇ、百合子の彼氏にしてくれる?」

「…じゃあ、ブロッコリーが食べれるようになって高校卒業したらね!」



えへへ、可愛く告白されちゃいました。

……でも、まだこのままで居たいから。


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