誰にも教えてアゲナイ!
頬っぺたにチュッてするマリアちゃん。

やっぱり可愛いわ〜!



「マリア、お父さんにもチュッは?」



頬っぺたにチュッを要求する彼のお父さん…でも、マリアちゃんは…

ブンブンと首を振って、イヤイヤをしている。

更にショックを受けたらしく、立ち尽くす彼のお父さん。

「あ、お父さんが…」

「いいよ、放って置いて。そのうち来るよ」

私は困り果てて後戻りしようとしたけど、彼は私の手を引いて歩き出した。



一瞬、ドキンとした。



彼と手を繋いで外(と言っても、アパートの近く)を歩くのは、初めてだったから。

冷たくなった手と手が合わさり、どちらともなく離れないようにキュッと力を入れる。

……あれ?

今、初めて気付いた事がある。

彼の手は意外にカサカサしている。

乾燥肌…なの?

でも、顔はカサカサしてないし…そっか、手だけ、とか?



「諒の手はカサカサ…」

「ははっ、そう?百合子はスベスベだね。他の所もスベスベ?」

「ん…?他の所?」

「そう、例えば胸とか…」

「諒っ!!」



ドサクサ紛れにエロガキの本領発揮。

マリアちゃんが居るから怒らないけど…本当にコイツってば!

憎めない奴だけど、やっぱりエロガキだわ…!
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