誰にも教えてアゲナイ!
「兄ちゃんは、た、食べるとボツボツ出るからなぁ…食べれないんだよ」

「嘘ばっかり!!百合子姉ちゃん、諒兄ちゃんはブロッコリー食べれないんだよぉ。百合子姉ちゃんは食べれる?」

慌ててごまかした先に龍君の疑いの眼差しが向けられた。

「うん、食べれるよ。好き嫌いはないよ」

「百合子姉ちゃんは偉いね。諒兄ちゃんはブロッコリー食べれないのに、僕にブロッコリーを入れるんだよ」

ブロッコリーは緑黄色野菜だから、栄養価は高いし、体にいいからね。

「兄ちゃんだって食べれるようにならないと、いけないのっ!……じゃないと百合子姉ちゃんがデートしてくれないのっ!」

ゴチンッ!

逆切れモードの彼は龍君をグーで頭を軽く殴る。

「いたっ!じゃあ、僕、食べるよ。食べたら、百合子姉ちゃん、デートしてね」

「う…うん」

パクッと目をつぶって食べた龍君は涙が出てるけど健気で可愛い〜!

「ぎゅ、牛乳…」

ゴクゴクと牛乳を飲み干し、満足感たっぷりの龍君。

「百合子姉ちゃん、食べたよ。あっちでデートしよう」

「えっ…あっ…」

手を取られて、子供部屋へと連れこまれる私。

デートって、今なのね。

「怪獣いっぱいいるんだよっ。あとはね、新幹線とミニカーと…」

龍君はニコニコ笑顔で私に説明をしてくれる。それでもって怪獣遊びとかなのね…、可愛いデートだわっ。
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