誰にも教えてアゲナイ!
最大の敵であり、最大の幸せの元(side:諒)
百合子は毎日、お弁当を持たせてくれるけれども必ずと言って良い程にブロッコリーが入ってる。

これは何を意味するんだろう?

もしかして期待してもいいの?



「諒、一緒に食べようよっ」

「今日も相川と食べるから…」

「何で、新学期始まってからずっとじゃんっ!じゃあ、明日は一緒に食べよっ、ねっ?」

「考えとくよ…相川、屋上行こうぜ」



百合子に会ってからは女の子達とは弁当を食べない事にしてる。

それまでは、誘われれば一緒に食べたりしてたけど…今は百合子一筋だからっ…なーんて、ね。


「冬の屋上は寒いよ、椎名…せめて屋上入口の階段にしようぜ」

「あぁ、そうだな」


屋上に来てみれば、冬だから当たり前なんだけど、風も冷たいし、寒すぎて凍りつきそうだった。

「やっぱり、ここが1番〜♪」



―――結局、階段も寒すぎて自由に出入り出来る音楽室に行く事になった。

音楽室はグランドピアノを生徒に貸し出しオッケーな為、昼休みは開放中。

たまに聞こえる音色も今日はなくて、どうやら占領しても大丈夫みたい。



「なぁ、何で最近、男だけで食う訳?俺はお前だけが頼りだったのによ…あーっ、可愛い女の子とお話したい…」



友達の相川が不満そうに聞いてくる。

食べたくないから、教室以外の場所を探す毎日。
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