誰にも教えてアゲナイ!
味は確かに癖はあるし、歯ごたえもあるし、形…確かに可愛いとは言えないよね。



「カリフラワーは食べれる?」

「アイツは…いや、アイツも微妙。好き好んでは食べない。コイツの仲間っぽいし…」



確か…ブロッコリーから品種改良したのが、カリフラワーだった気がする。

最近では、ブロッコリーとカリフラワーの掛け合わせ野菜もあるよね。



「諒、私達、一生…付き合えないかもね」

「えっ…それは嫌っ!じゃあ、今日は吐いてでも何でも完食してみせるっ!」

「は、吐く?それは私が迷惑だから止めてっ」



『よしっ』とフォークを強く握り、食べようと気合いを入れ直す諒。

何だか面白い。

時間が経ちすぎて、冷たくなったチーズ焼きを少し温めて再スタート。



「とりあえずは小さく一口…」

「何それ、フォークにチーズしか乗せてないじゃない?」

「…いや、チーズにブロッコリーの味が染み込んでるんじゃないかって思って…」



呆れた…。

そこまで嫌いなんだ。



「もうっ、そこまでするなら食べなくてよしっ!ブロッコリーが可哀相だよっ」



取り上げようとした瞬間、ザクッと大きくすくって、口に放り込む彼。

涙目が何とも言えず可愛くて、龍君を思い出す。

小さい頃の彼と龍君は似てるのかな?

きっと龍君みたいな、可愛らしい子供だったんだろうな。
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