儚い天使の笑顔には影があって
「そーいえば、みんなの名前まだ聞いてないけん、教えて」
「あー、そうだな」
「そーですね。分かりました」
「じゃあ俺から。風見 翠(かざみ すい)。高1。」
「八神 真陽(やがみ まひろ)だよ、高1」
「俺は、八神春陽(やがみ はるひ)。高1。」
あれ?春陽くんと真陽くんって莉恋たちといっしょ!?
自分たち以外の双子はじめてや!
「春陽くんと真陽くんって双子なの!?いっしょ!?」
莉恋はもうにこにこで興奮気味になっちょる!
すごく嬉しいんやもん。
「すごく嬉しそうなとこ悪いんだけど、俺と真陽は双子じゃなくて兄弟なの。真陽が4月生まれで、俺が3月生まれ。」
しょぼーん
莉恋はちょっと不貞腐れ気味や。
いっしょやと思っちょったのに…。
「ごめんね、莉恋ちゃん」
真陽くんは苦笑いでそう言った。
しかたない、許してあげよう。
コクン
莉恋は真陽くんと春陽くんに頷いた。
「莉恋はさっきも言うたけど、天使 莉恋(あまつか りこ)だよ。莉叶ん双子の姉。高1」