君は私の唯一の光
「昼食の時間でーす。」
2人でずっと話していたら、いつの間にかお昼の時間になっていたみたい。
いつもの配膳のおばさんが持ってきてくれた。
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
おばさんが病室を出ると、また洸夜くんが話し出した。洸夜くんは、喋ってないと落ち着かないのかも。
「乃々花、食べれる?」
「うん。洸夜くんも、食べてきなよ。」
「うん、そうする。なあ、食べながらも話そうぜ。」
そう言うと、慣れてない松葉杖を使って、自分のベットに戻って食べ始めた洸夜。本当に食べながら…?って思っていたら、マジだった。とはいえ、ほとんど洸夜くんしか喋ってないんだけど。
突然、ガラガラって扉が開いた。由奈さんかなって思ったけど、そこにはまだ幼稚園児くらいの小さい女の子が息を切らして、仁王立ちしていた。
「にぃに。」
そう小さく呟くと、猛ダッシュで洸夜くんのベットに向かって行った。
「にぃに!じゃいじょーぶ?」
小さい子特有の変な言葉で、洸夜くんに話しかける女の子。
「おー、陽菜。よく来たな〜!」
一気にお兄ちゃんっぽくなった洸夜くん。さっき“にぃに”って言ってたし、兄妹なのかな。なんか、似てるかも。
見た目も黒髪に少し焼けた肌。大きな黒目に整った顔立ち。よく見たら、すごいイケメンだった。女の子…ヒナちゃんも、すごく愛らしい顔と雰囲気。
でも、ヒナちゃんがここまで1人で来れるわけがないよね。誰か付き添いがいたんじゃないのかな?
「陽菜、早すぎる!お姉ちゃんの事、ちょっとは待ってよ。」
「ごめんなしゃい。」
自分を“お姉ちゃん”と言ったその人は、多分お兄ちゃんと同じ大学生。
「洸夜、あんたなんで骨折なんかしてんのよ!おかげで私が、パシリになったじゃない!」
「わりーわりー。姉貴、荷物サンキューな!」
あ、やっぱりこの人もご姉弟なんだ。顔、全員似てるもんね。
「あれ、こちらは?」
お姉さんらしき人が、私に気づいた。
「同室の桑野乃々花。俺の一個下。」
「初めてまして。桑野乃々花です。」
「弟がお世話になります。神山夕菜です。」
「いえ、こちらこそお世話になります。」
ユウナさんは、こっちをじっと見つめている。何故だかはわからないけど、居心地が悪くて、手元に視線を向けると、視界の端に、ヒナちゃんが映った。ヒナちゃんも、私のベットの脇に立って、こっちを見上げている。
「ヒナちゃん、だよね?よろしく。」
「おなまえ、なんていうの?」
めちゃくちゃ高い可愛い声で聞かれて、胸がキュンッてなった。
「乃々花、だよ。」
「ののか?」
「うん。」
「ののかおねーちゃん、かわいい!」
「へ?」
突然言われた言葉に驚くけど、私なんかより全然可愛い小さい子から言われて、すごく嬉しい。
「ありがとう。ヒナちゃんも、すっごくかわいいよ。」
「えへへ。ののかおねーちゃん、にぃにってね、かっこいいでしょ?」
「え?うん、かっこいいね。」
「ねぇねも、かわいいでしょ?」
「うん。」
「えへへ、ありがとっ!」
結局ヒナちゃんが、何をしたかったのか分からなかったけど、癒されたから、まあいっか。
「ねえ、乃々花ちゃん。」
ヒナちゃんと微笑んでいると、ユウナさんが私をじっと見つめて話しかけてきた。
「はい?」
「乃々花ちゃんって、ハーフ?」
「あ、はい。」
「だからか〜!」
急にテンション上がったっぽいユウナさん。
「あのね、私の通ってる大学に、すっごいイケメンが居てね、一目惚れしちゃったんだけど、その人もイギリスとのハーフで、背高くて、なんか乃々花ちゃんと似てるな〜って思ったんだよね〜!」
なるほど。まあ、今時ハーフなんていっぱいいるもんね。
「その人と、お付き合い出来るようになるといいですね。」
「そーなの!今、すこ〜しずつアタックしてて。」
「へぇ。でも、ユウナさんにアタックされたら、ほとんどの人がイチコロですよね。」
「えっへへ。ありがとう!また、頑張る!」
なんか、ユウナさんともヒナちゃんとも仲良くなれた……かな?
「姉貴、それくらいにしとけよ。乃々花、ごめんな。こんなうるさくしちゃって。」
「あ、ううん。全然。こちらこそ、すごく楽しくお話させて貰っちゃった。」
「めっちゃ、いい子じゃん!こんなクソみたいな弟、どっかに放り捨てて、乃々花ちゃんが妹になってほしい!」
「陽菜も、陽菜も!」
「おい、姉貴!」
こんな、兄弟喧嘩とかした事ないな。お兄ちゃんは、いつもオブラートだし。喧嘩なんてしたら、私が倒れちゃうし。
こんなにも仲良くて、元気いっぱいな家庭、憧れちゃうな。
2人でずっと話していたら、いつの間にかお昼の時間になっていたみたい。
いつもの配膳のおばさんが持ってきてくれた。
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
おばさんが病室を出ると、また洸夜くんが話し出した。洸夜くんは、喋ってないと落ち着かないのかも。
「乃々花、食べれる?」
「うん。洸夜くんも、食べてきなよ。」
「うん、そうする。なあ、食べながらも話そうぜ。」
そう言うと、慣れてない松葉杖を使って、自分のベットに戻って食べ始めた洸夜。本当に食べながら…?って思っていたら、マジだった。とはいえ、ほとんど洸夜くんしか喋ってないんだけど。
突然、ガラガラって扉が開いた。由奈さんかなって思ったけど、そこにはまだ幼稚園児くらいの小さい女の子が息を切らして、仁王立ちしていた。
「にぃに。」
そう小さく呟くと、猛ダッシュで洸夜くんのベットに向かって行った。
「にぃに!じゃいじょーぶ?」
小さい子特有の変な言葉で、洸夜くんに話しかける女の子。
「おー、陽菜。よく来たな〜!」
一気にお兄ちゃんっぽくなった洸夜くん。さっき“にぃに”って言ってたし、兄妹なのかな。なんか、似てるかも。
見た目も黒髪に少し焼けた肌。大きな黒目に整った顔立ち。よく見たら、すごいイケメンだった。女の子…ヒナちゃんも、すごく愛らしい顔と雰囲気。
でも、ヒナちゃんがここまで1人で来れるわけがないよね。誰か付き添いがいたんじゃないのかな?
「陽菜、早すぎる!お姉ちゃんの事、ちょっとは待ってよ。」
「ごめんなしゃい。」
自分を“お姉ちゃん”と言ったその人は、多分お兄ちゃんと同じ大学生。
「洸夜、あんたなんで骨折なんかしてんのよ!おかげで私が、パシリになったじゃない!」
「わりーわりー。姉貴、荷物サンキューな!」
あ、やっぱりこの人もご姉弟なんだ。顔、全員似てるもんね。
「あれ、こちらは?」
お姉さんらしき人が、私に気づいた。
「同室の桑野乃々花。俺の一個下。」
「初めてまして。桑野乃々花です。」
「弟がお世話になります。神山夕菜です。」
「いえ、こちらこそお世話になります。」
ユウナさんは、こっちをじっと見つめている。何故だかはわからないけど、居心地が悪くて、手元に視線を向けると、視界の端に、ヒナちゃんが映った。ヒナちゃんも、私のベットの脇に立って、こっちを見上げている。
「ヒナちゃん、だよね?よろしく。」
「おなまえ、なんていうの?」
めちゃくちゃ高い可愛い声で聞かれて、胸がキュンッてなった。
「乃々花、だよ。」
「ののか?」
「うん。」
「ののかおねーちゃん、かわいい!」
「へ?」
突然言われた言葉に驚くけど、私なんかより全然可愛い小さい子から言われて、すごく嬉しい。
「ありがとう。ヒナちゃんも、すっごくかわいいよ。」
「えへへ。ののかおねーちゃん、にぃにってね、かっこいいでしょ?」
「え?うん、かっこいいね。」
「ねぇねも、かわいいでしょ?」
「うん。」
「えへへ、ありがとっ!」
結局ヒナちゃんが、何をしたかったのか分からなかったけど、癒されたから、まあいっか。
「ねえ、乃々花ちゃん。」
ヒナちゃんと微笑んでいると、ユウナさんが私をじっと見つめて話しかけてきた。
「はい?」
「乃々花ちゃんって、ハーフ?」
「あ、はい。」
「だからか〜!」
急にテンション上がったっぽいユウナさん。
「あのね、私の通ってる大学に、すっごいイケメンが居てね、一目惚れしちゃったんだけど、その人もイギリスとのハーフで、背高くて、なんか乃々花ちゃんと似てるな〜って思ったんだよね〜!」
なるほど。まあ、今時ハーフなんていっぱいいるもんね。
「その人と、お付き合い出来るようになるといいですね。」
「そーなの!今、すこ〜しずつアタックしてて。」
「へぇ。でも、ユウナさんにアタックされたら、ほとんどの人がイチコロですよね。」
「えっへへ。ありがとう!また、頑張る!」
なんか、ユウナさんともヒナちゃんとも仲良くなれた……かな?
「姉貴、それくらいにしとけよ。乃々花、ごめんな。こんなうるさくしちゃって。」
「あ、ううん。全然。こちらこそ、すごく楽しくお話させて貰っちゃった。」
「めっちゃ、いい子じゃん!こんなクソみたいな弟、どっかに放り捨てて、乃々花ちゃんが妹になってほしい!」
「陽菜も、陽菜も!」
「おい、姉貴!」
こんな、兄弟喧嘩とかした事ないな。お兄ちゃんは、いつもオブラートだし。喧嘩なんてしたら、私が倒れちゃうし。
こんなにも仲良くて、元気いっぱいな家庭、憧れちゃうな。