君は私の唯一の光

君と私の違い

【side 乃々花】



ここ最近は、ずっと体調も良く、深谷先生にも、『なんか良いことあった?』って聞かれるくらい。




洸夜くんが来てから、新しい事をいろいろ知れた。学校の様子とか、街の雰囲気とか、今流行りの物とか。毎日、みんなが知ってて、私が知らない物が、徐々に減っていっているのが嬉しかった。





「乃々花、今日さ俺の友達来ても大丈夫?」




「え?」




「なんか、部活の奴らが見舞いに来てくれるらしくて。」





そうか……。今日は土曜日で、基本学校はお休みなんだっけ。それで、洸夜くんの友達が来るんだ。ちょっと……いや、だいぶ羨ましい。





「もちろん!私は、カーテン閉めておくから。全然気にしないで。」





本当は、気にしてほしい。今までほとんど、私と洸夜くんだけの世界になっていて、いつの間にか、これがたった1週間で当たり前になってしまって。それが私だけなのはわかってる。でも、洸夜くんもそう思ってて欲しいなんて、身勝手な私は願ってしまった。叶うわけ、ないのに。





「ありがと。」





そうやって言った洸夜くんの笑顔に初めて、胸がズキッと痛んだ。








昼食を食べ終わった頃、病室の扉が開いたのと同時に大きな声がした。





「こうやー!久しぶり!!」




「お前、まともに返信しろよ。」




「先輩!見舞いの品です!」






男の子の声がいっぱい。カーテンで姿は見えないけど、ざっと10人は軽く居そうな感じ。





「おー、ありがと。」





洸夜くんの声も弾んでいて、嬉しそうだった。





「てか、骨折なんかするなよ。おかげで、試合が上手く回らねーんだよ。エースが何やってんだ。」




「そうだよ。エースがいないと、まとまり感ゼロになっちゃうんだから。」





洸夜くんって、エースなんだ。サッカーの話は、たまに聞いてたけど、エースだとは思わなかった。




そして、今聞こえた女声。女の子もいるんだな。まあ、洸夜くん、人脈ありそうだし。





「マネージャー、酷くね?」




「酷いと思うんなら、直せ!」





女の子、マネージャーなんだ。なんか、人のアシスタントが出来るなんて、すごいな。私は、自分の事で精一杯だもん。



それからも、楽しそうな声は途切れる事がなかった。その場にいる全員が、仲が良いって伝わってくる。


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