君は私の唯一の光
「やっほー、乃々花。」




学校から直で、私の病室にまで来てくれる洸夜くん。制服の時もあれば、ジャージ、サッカー部のユニフォームの時もあって、どれもかっこいい。




まだ、サッカーを本格的には始められないらしく、最近の洸夜くんはずっと不満気だ。サポーターが取れてないんだと。




「疲れた〜。」




どうやら、勉強が嫌いらしい洸夜くんは、授業が苦痛だそう。メールでもよく“疲れた”、“めんどー”、“早く終われー!”と送られてくる。




「お疲れ様。」





ってことしか言えないことで、少しもどかしさを感じていたが、洸夜くんが先日「乃々花に(ねぎら)ってもらえると、いっきに疲れ飛ぶ。ありがと。」と言ってもらえたので、私の気分はウキウキだ。




「乃々花、勉強してんの?」




テーブルに広げられたワーク類を見て、気づいたらしい。ついさっき、洸夜くんが来るまで説いていたのだが、今はワークなんて、ぶっちゃけどうでもいい。




「うん、さっきまで少しだけ。」




「今はいいの?」




「いいの。洸夜くんがいるのに、勉強したくない。」





せっかく隣にいてくれるんだもん。2人でおしゃべりして、ワイワイ過ごしたい。





「俺も学校行くより、ここに来たい。で、乃々花と一緒にいたい。サッカーだけは、しに行くけど。」





洸夜くんのその言葉が、とてつもなく嬉しい。学校の人たちよりも、私を選んでくれたって、そう思えた。洸夜くんのとっては、違うかもしれないけど。




洸夜くんは毎日、18時まで一緒にいてくれる。なんでも、家が病院の近くなんだって。いつも申し訳ないんだけど、洸夜くんは「俺が少しでも長く、一緒にいたいだけ。」と言ってくれる。何気ない言葉の1つ1つが、私の心に響く。





洸夜くんの笑顔と言葉が、今の私の(みなもと)






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