君は私の唯一の光
君は私のヒーロー said 乃々花
あと3日か。
もうすぐ、長年拒んでいた手術の日。30%。怖くて仕方がない。でも、希望を持たないとね。
明後日には、お父さんとお母さんも帰国してくれるって。お兄ちゃんも、すごく励ましてくれてる。もちろん、洸夜くんも……。
ただ、やっぱり恐怖心を完全に消すことはできなくて、変な作り笑いになってしまっている。
心からの笑顔で、“大丈夫”って言いたいのに、それができない。
結局、何をやってもダメなんじゃないかって思ってしまう。
こんなネガティブじゃ、神様も、私を生かしておこうって、思わないよね。
「文化祭か……」
私の手術の後、洸夜くんの通う学校で、文化祭があるらしい。
お兄ちゃんが撮影してきてくれた動画くらいしか見た事がないから、どんなものか、よくわからない。
でも、映るみんなが笑顔で、ワイワイ騒いでいて、無性に、文化祭に行きたいって思ったのは覚えてる。
その文化祭の用意で、洸夜くんは今、忙しいらしい。劇で、王子様役をやるんだって。見たかったな……。それまでに退院できるかな?
「洸夜くん、会いたい……。」
1人呟いた声は、簡単に風に呑まれて、消えた。
洸夜くんは、放課後の文化祭準備で、ここに来られる時間も、すごく短くなった。悲しいけど、仕方ないよね。だって、イベントだし、主役だし。
何より、人気者だし。
「洸夜くん……。」
ダメだな……私。心が弱ると、洸夜くんに縋っちゃうみたい。
はぁ……自分で自分が嫌になるよ。
バンッ————
!?!?
「乃々花!!」
ドアが荒々しく、勢いよく開いた音にビビるのと同時に、大好きな人の声が聞こえた。
いつもより、大きく、焦りの込もった声色。
大股で近づいてきた彼は、何も言わずに私をギュって抱きしめた。
「え、洸夜くん?」
あまりにも突然の出来事に、テンパる。えっと……この状況は、どうするのが正解なの?
「乃々花、大好き。」
「っ……。」
“大好き”。たった一言なのに、それにすごく安心した。
そしたら、今まで頑張って堪えてきたものが溢れかえった。
洸夜くんの前では、強がるのも、嘘をつくのも、全部ダメになっちゃう。洸夜くんの顔を見て、声を聞くだけで、わがままな自分になっちゃうんだ。
ギュッと洸夜くんの制服のジャケットを握る。それに気づいた洸夜くんも、何も言わず、抱きしめたまま、頭を撫でてくれた。
「乃々花、大丈夫だから。」
「……っ、うん。」
しばらく、無言の時間が続いた。洸夜くんの腕の中で、静かに泣いた。もう、泣きすぎだよ、私。
「乃々花。」
「……なに?」
「絶対、俺の隣から離れるなよ。」
「……うん、絶対。」
洸夜くん、私は君と出会えて、幸せだよ。
世界で一番、大好きな人に出会えた。それだけで……。
「手術、頑張ろうな。」
「うん!」
洸夜くんの言葉で、希望が持てるの。
単純って言われてもいい。
だって、私にとって君が、なによりも大切だから。
もうすぐ、長年拒んでいた手術の日。30%。怖くて仕方がない。でも、希望を持たないとね。
明後日には、お父さんとお母さんも帰国してくれるって。お兄ちゃんも、すごく励ましてくれてる。もちろん、洸夜くんも……。
ただ、やっぱり恐怖心を完全に消すことはできなくて、変な作り笑いになってしまっている。
心からの笑顔で、“大丈夫”って言いたいのに、それができない。
結局、何をやってもダメなんじゃないかって思ってしまう。
こんなネガティブじゃ、神様も、私を生かしておこうって、思わないよね。
「文化祭か……」
私の手術の後、洸夜くんの通う学校で、文化祭があるらしい。
お兄ちゃんが撮影してきてくれた動画くらいしか見た事がないから、どんなものか、よくわからない。
でも、映るみんなが笑顔で、ワイワイ騒いでいて、無性に、文化祭に行きたいって思ったのは覚えてる。
その文化祭の用意で、洸夜くんは今、忙しいらしい。劇で、王子様役をやるんだって。見たかったな……。それまでに退院できるかな?
「洸夜くん、会いたい……。」
1人呟いた声は、簡単に風に呑まれて、消えた。
洸夜くんは、放課後の文化祭準備で、ここに来られる時間も、すごく短くなった。悲しいけど、仕方ないよね。だって、イベントだし、主役だし。
何より、人気者だし。
「洸夜くん……。」
ダメだな……私。心が弱ると、洸夜くんに縋っちゃうみたい。
はぁ……自分で自分が嫌になるよ。
バンッ————
!?!?
「乃々花!!」
ドアが荒々しく、勢いよく開いた音にビビるのと同時に、大好きな人の声が聞こえた。
いつもより、大きく、焦りの込もった声色。
大股で近づいてきた彼は、何も言わずに私をギュって抱きしめた。
「え、洸夜くん?」
あまりにも突然の出来事に、テンパる。えっと……この状況は、どうするのが正解なの?
「乃々花、大好き。」
「っ……。」
“大好き”。たった一言なのに、それにすごく安心した。
そしたら、今まで頑張って堪えてきたものが溢れかえった。
洸夜くんの前では、強がるのも、嘘をつくのも、全部ダメになっちゃう。洸夜くんの顔を見て、声を聞くだけで、わがままな自分になっちゃうんだ。
ギュッと洸夜くんの制服のジャケットを握る。それに気づいた洸夜くんも、何も言わず、抱きしめたまま、頭を撫でてくれた。
「乃々花、大丈夫だから。」
「……っ、うん。」
しばらく、無言の時間が続いた。洸夜くんの腕の中で、静かに泣いた。もう、泣きすぎだよ、私。
「乃々花。」
「……なに?」
「絶対、俺の隣から離れるなよ。」
「……うん、絶対。」
洸夜くん、私は君と出会えて、幸せだよ。
世界で一番、大好きな人に出会えた。それだけで……。
「手術、頑張ろうな。」
「うん!」
洸夜くんの言葉で、希望が持てるの。
単純って言われてもいい。
だって、私にとって君が、なによりも大切だから。