君は私の唯一の光
【said 寧々】




『乃々花、無事に目覚めた!病気も完治したって。お見舞い、来いよ!』





突然洸夜が学校を休んだから、何事かと思えば、コレ。



洸夜から手術のことを聞いた時は身震いしたし、心配だったけど、大丈夫だったみたいで、安心した。




最近洸夜の元気がないのは、みんなもだいたい感じ取れていたらしく、そわそわしていた。




洸夜の代理として、洸夜と仲がいい数名には詳しい事情を伝えてたから、まあまあ洸夜の気は楽だったらしい。


ただ、それが解らない宮本花梨とかは、“大丈夫?”“何かあったら、いつでも相談してね!力になるよ♡”的なことを言い、付き纏ったおかげで、洸夜がずっと気が抜ける状況はつくれなかったわけだけど。





でも、とりあえず一安心。これで心置きなく、文化祭準備に洸夜を巻き込めるな。






『よかった。乃々花に“おめでとう”って言っておいて。近いうちに、お見舞いに行くわ。』





まさか、あの時はこんなことになるなんて、想像も出来なかった。




好きな人と友達になるなんて……。自分でも最近、自分のことがわからない。変な私がいる。




なのに、そんな私が嫌いじゃない。むしろ、面白いって思ってしまってる。





これも、洸夜と乃々花のせい。私を、良い風にも悪い風にも変えた。





あの2人は、変。そんな2人が大切な私も、相当変なんだろうな。






「なあ、松原。洸夜、彼女さんのことで休んでる?」





洸夜の事情を話してある奴らが、すごく顔を曇らせている。洸夜、こんなに心配してくれる人がいるんだ。ありがたく思えよ。





「彼女さん、無事目覚めたって。今日は、付きっきりでいたいみたいだよ。」





これくらいオーバーに言っても、罰は当たんないでしょ。




「「「マジで!?」」」




大の男数名の大声は、耳によろしくない。教室中を黙らせる効果がある。軽くキーンってなった。




「マジ。」




よかった〜って安堵するみんな。洸夜のこと大好きかよ。





まぁ、自分も人のこと言えないけど。友だちとして、好きだし。





乃々花、おめでとう。これからは、洸夜とお幸せに。




洸夜、乃々花を泣かせたら、許さないから。嬉し涙はいいけど。





2人の未来が、光で満ち溢れたものでありますように。
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