君は私の唯一の光
「どこ行く?」




「んー、どこがオススメ?」




「噂では、お化け屋敷と迷路がクオリティ高いらしい。あと、外の屋台の焼きそばがうまいって。」




「じゃあ、お化け屋敷か迷路行こっ!」




「ここからだと、2年F組の迷路が近いな。」





B組の教室を出て、洸夜と一緒に校内をウロウロ。




迷路って、どんな感じなのかな?すっごい楽しみ〜!!




洸夜の隣を歩けるのって、すごく久しぶり。初デートだから、余計にテンションが上がってるのかもしれないけど。




わっくわく〜〜♪






「乃々花、大丈夫か?」





「へ、なにが?」




「閉所恐怖症とかじゃない?この迷路、まあまあ狭い所とかあるらしいから。」





「………」







洸夜、いつも以上に優しすぎる。普通、そんなところ気づかないでしょ!?





執事の格好をしてるはずなのに、もう王子様に見えてきた。隣にいる私は、お姫様なんていう感じではないけどね。





「乃々花?」




「あ、大丈夫だよ!検査とかで狭い部屋に閉じ込められても平気だったから!」





「そっか。」





「無茶はするなよ。」と優しく頭を撫でてくれる洸夜。いつもと同じ撫で方のはずなのに、なぜかいつもと違う気がする。




洸夜の雰囲気がいつもと違うからかな?大人っぽいからかな?





んー、わかんない。





「乃々花、着いたぞ。」




「うわぁ〜、すごい人。」





洸夜たちの喫茶店に負けず、商売繁盛って感じだね。大盛況!





「乃々花、おいで?」




「うん。」





手を引いて、行列を抜かしていく。並ばないの?





「お、洸夜じゃん!」




「よっす、竹島(たけしま)。今、入れる?」




「いいよ、予約扱いにしとく。」




「サンキュ。」





……さっき、寧々先輩も“予約”って言ってたけど、そんな制度あるのかな?本格的だなぁ。




「後ろは、彼女さん?」




「ああ。前に話した桑野乃々花だよ。」




「初めまして。」




「初めまして、俺は竹島(あき)。よろしく。」





白い歯を見せて笑う竹島くんは、穏やかそうな印象。洸夜、いろんな人と仲良いんだね。





「では、2名様いってらっしゃ〜い!」









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