君は私の唯一の光
「ほんとに?」




「うん、本当に。むしろ、乃々花が来てくれて嬉しかった。」





さっきまでの暗い顔とは打って変わり、明るい笑顔を見せてくれた乃々花。






「じゃあ、来て良かった!」





一緒に廻ってた時の笑顔が戻った乃々花。……やっぱり、乃々花は笑顔が似合う。キスの後の顔も、超絶かわいいけど。





「洸夜、写真撮ってもらおっ!」




「ああ。」





写真部に指定された場所に立ち、言われたポーズをとる。そして………





「なんでおまえらのカメラで撮るんだよ。」





「今度のコンクールに出させてもらおうかと……」





「ダメに決まってんだろ。」






乃々花の顔を不特定多数に見せるなんて、却下。惚れるやつ続出の危険性しかないだろーが。






「いいじゃん、私たちが撮ってもらう側なんだもん。」




「………」





無自覚。乃々花は自分の魅力がわかってない。本当に、いつか奪われそうで怖いんだって、俺は!





結局、乃々花の好意によって、コンクールには出さないけど、写真部のカメラには収められることになった。





あとは、俺と乃々花のスマホでも撮ってもらい、終了した。






「いい被写体がいた!!」って大喜びの写真部。そりゃあ、乃々花を撮ったらモデル並みに売れるだろうしな。






「洸夜、今の写真待ち受け画面にしてもいい?」




「いいよ。」




「やった!どれにしようかな………」





さっき撮った写真を見ながら、悩む乃々花。





「これがいいんじゃない?」




「んー、でもさ、これ洸夜がカッコよすぎるから、見ちゃった人全員惚れちゃうもん。」




「………」




まさか、の発言。まじで勘弁して。俺をどうしたいんだよ、乃々花は。




そんなこと言ったら、俺は乃々花のどの写真も待ち受けになんかできないし、ましてや写真のフォルダーも開けない。





乃々花って、まあまあ恥ずいこと平気で言えるよな。入院してたから、恥ずかしいの基準が周りとズレてるのか?





「コレ!」




ようやく決まったらしい写真は、俺が乃々花をバックハグしながら撮ったやつ。……この時は、さすがに恥ずかしがってたな。





「じゃあ洸夜、白雪姫頑張ってね!応援してるから!」





「おぅ!ありがとな、乃々花。なんかあったら、すぐに連絡しろよ。」




「うん!」






バイバイと満面の笑みで走り去っていく乃々花。はぁ、いろいろヤバかった。
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