―――ファッション―――
―――翌日―――
入学してから、一週間後の翌日―――。ファッションショーを見終えると、裏部屋にいれてくれる事になった。大好きな服を着せて貰い、彼女は『―――あら・・・似合うじゃない・・・』と言った。彼女は吃驚した。ボン・クレイブさんとは、初めてお会いします。そう言うと、手を差し出してきた。どうやら挨拶してくれるようで、彼女は握手をしてみた。
『―――グッラッチェ・・・』
其の言葉に、『―――え?イタリア人?』と問い質し、凛と直哉は吃驚していた。この吃驚仰天は一体どこから来るのか、誰もがドキッとした。凛はサインを欲しがっていた。サインを求めると、モデルさん達は、オッケイしてくれた。代表に斎木望がサインを描いてくださった。勿論、ボン・クレイブさんにも、頼んでみた。
彼女達はファッションショーを見ると、どんな服が良いか、ビジョンが湧いてくる気がした。赤いスーツもあり、何でもありなのか?――――そう思っていた。あの日から、彼女はバイトをしているが、何故か、しっくりこない。スタイリストになりたいのに、どうすれば、デザインも上手くなるのか、このファッションを見ながら、分かった気がした。それは、写真とか、実際に着ている、服を真似して、絵を描いてみる事だ。太っている人でも、着れるような服を作りたい、と思った。太っている人は、世界中で沢山いるし、日本でも悩んでいる人が沢山いる。だから、そういう、服を作るべきだと、私は思っている。

―――三北御じい様・・・

私をこの高校に入れて下さって・・・ありがとう、ございます―――。


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