こじらせトライアルグル2
誕生日。


それは君のお母さんが死んでしまった日。






君が生まれたのと同時にお母さんはこの世からいなくなった。





それを知ったのはちょうど言葉を覚えたのと同じ時期だったと言う。













『私の誕生日はおめでたい日じゃあないんだ。』








そう言って寂しそうに笑う君が脳裏から、離れない。






その小さな背中には、抱えきれないほどの大きな悲しみを背負ってた。




『生まれてきてくれてありがとう。』







そう言って今にも壊れそうな小さな背中を抱きしめた。




そしたら君は、肩を震わせて静かに涙を流してた。










俺が側にいたい。





そう思うと同時に、





俺にはなんにもしてやれねぇ






自分の無力さが悔しかった。








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