身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています
修二の働きかけによって、ご両親は私と修二がずっとやり直す機会を探って、いい距離でいたように理解しているみたい。
結婚は祝福してくれ、まりあとの初対面をものすごく楽しみにしている。
来月上京し、うちの両親とみんなで会食をし、それが結婚式の代わりということにした。入籍もその頃にする予定だ。

「というか、うちの両親とも、長い間私の知らないところでやりとりしてたらしいじゃない」

私は顔をしかめて皮肉っぽく笑ってみせる。これも最近知ったことだけど、修二はまりあが産まれた当初から私の両親とちょくちょく連絡を取っていたようなのだ。
修二は困ったように答える。

「陽鞠は俺と話したくないだろうと思っていたからさ。だから、養育費のことを受け入れてもらえるように口添えを頼んだり、折々に洋服を送ってお義父さんとお義母さんからのプレゼントにしてもらったり」
「用意周到っていうか、怖いわよ。それ」

おそらく、両親がヨーロッパ旅行をすんなり決断したのも、最初から修二に相談の上だったのだ。
三人とも私が頑固なのを知っていて、こっそり裏で画策していたんだから嫌になってしまう。今となっては結果オーライだけど。

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