身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています
『覚えてる? 平坂さ『なんのスポーツができますか? 週どのくらい活動してますか?』なんて返事するんだもん。運動ガチ勢かよって笑っちゃった』
『あ〜、そういえば〜』
サークルの華やかな面ばかりが注目されていたけど、私はせっかくだからいろんなスポーツをしたかった。ひとりではなかなかやりづらい競技も、サークルならみんなでできるかなと思ったのだ。
『こいつ、チャラついてないなーって好感持ったの。うち、大所帯だから、あんまり話す機会なかったけど、平坂を最初に見つけたの俺だからね。忘れるなよ』
明るくにかっと笑った修二は、本当にドキリとするくらい格好よかった。
あの時、憧れの気持ちに淡い色の炎が灯ったのかもしれない。恋と口にするにはあまりに淡すぎる色だったけれど、私には初めての感覚だった。全身がふわふわするような、胸が苦しいような。
だけど、私と修二がそれ以上接近することはなかった。
修二は学年トップの成績で総代を務めて卒業していった。法科大学院に進んだことは聞いたけれど、いち後輩の私に連絡を取る術はなかった。
二年後に私は英文学科を卒業し、アパレルメーカーのオフィスに入った。外資系企業で得意の英語を活かしてバリバリ働くつもりが、与えられたのはひたすら地味な事務作業。しかも、社内規定やら社内書類はすべて専門英語。私の日常英語は通用せず、自信はぽっきり折れ、さらに夏には店舗配属となった。
同期は四月から店舗配属者が多く、本社オフィス配属の私はこの点で天狗になっていたのだと思う。それが結局店舗組の仲間入りをしてしまったのだ。単純な社内人事だとしても、私は自分の能力を否定されたようでショックだった。
新宿のデパート内店舗は忙しく、自信をなくした私の気力をどんどん奪っていった。
そんな時だ。修二に再会したのは。
『あ〜、そういえば〜』
サークルの華やかな面ばかりが注目されていたけど、私はせっかくだからいろんなスポーツをしたかった。ひとりではなかなかやりづらい競技も、サークルならみんなでできるかなと思ったのだ。
『こいつ、チャラついてないなーって好感持ったの。うち、大所帯だから、あんまり話す機会なかったけど、平坂を最初に見つけたの俺だからね。忘れるなよ』
明るくにかっと笑った修二は、本当にドキリとするくらい格好よかった。
あの時、憧れの気持ちに淡い色の炎が灯ったのかもしれない。恋と口にするにはあまりに淡すぎる色だったけれど、私には初めての感覚だった。全身がふわふわするような、胸が苦しいような。
だけど、私と修二がそれ以上接近することはなかった。
修二は学年トップの成績で総代を務めて卒業していった。法科大学院に進んだことは聞いたけれど、いち後輩の私に連絡を取る術はなかった。
二年後に私は英文学科を卒業し、アパレルメーカーのオフィスに入った。外資系企業で得意の英語を活かしてバリバリ働くつもりが、与えられたのはひたすら地味な事務作業。しかも、社内規定やら社内書類はすべて専門英語。私の日常英語は通用せず、自信はぽっきり折れ、さらに夏には店舗配属となった。
同期は四月から店舗配属者が多く、本社オフィス配属の私はこの点で天狗になっていたのだと思う。それが結局店舗組の仲間入りをしてしまったのだ。単純な社内人事だとしても、私は自分の能力を否定されたようでショックだった。
新宿のデパート内店舗は忙しく、自信をなくした私の気力をどんどん奪っていった。
そんな時だ。修二に再会したのは。