身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています
そこではたと気付く。
まりあと闘い抜いたリビングダイニングはごっちゃごちゃに乱れていた。
シンクには汚れた食器、ダイニングテーブルは新聞の上にまりあの保育園のお便りが乱雑に重ねられている。床にはまりあのパジャマと投げ捨てられた未使用のオムツと今日ははきたくないと拒否されたトレパン。一枚の未使用オムツなんか修二からもらったくまのぬいぐるみが履いている。不機嫌なのに、こういうことはするんだから。あとは、まりあが遊び回ったおもちゃが転々と床に……。

ああ、いやんなっちゃう。今日、ここに修二が来るんですけど。早速、できないママであることを露呈してしまうじゃない。
でも、悩む時間も悔やむ時間もない! 私はまりあをベビーカーに乗せ、急いで出発した。

まりあを預け、職場に到着するとようやくほっと一息つけた。
世のワンオペ育児ママの苦労がわかった。まだ初日の朝だけど、私は自分がいかに両親に甘えていたかを痛感していた。
いや、甘えることはいいと思う。子どもって、そうやって大勢の大人が育てた方がいいに決まってる。
だから、世のワンオペ育児で苦しむママたちに、なんとか救いがあればいいのに。世界平和のへの祈りに近い感情で願ってしまう。

それにしたって、ちょっと甘えすぎていたことは事実だ。
もう少し、自分ひとりでどうにかできるようにならないと。

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