身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています
三月三週目が始まった。私がいそがしいのもあと半月……の予定だ。両親もあと二週間ちょっとで帰国する。

修二の手を借りるようになって一週間が経った。修二は非常に優秀なヘルプ要員だ。
まず、まりあを完全に手懐けている。
まりあはパパ大好きモード。店休日の木曜は保育園も休ませるのだけど、ずっと修二の話をしている。「ぱぱとおふろであしょんだのよ」「ぱぱとおむあいすしたのよ」「ぱぱのかたとんとんしたげたのよ」すべてがパパだ。
日曜も一日そんな感じで修二に会いたがっていた。これはちょっと嫉妬。ここまで育ててきたのは私なのに、マイエンジェルはぽっと出のパパに夢中なんだもの。
その話をすると修二は光栄だと笑っていた。やっぱり余裕があるなあ。

一方で私はまったく余裕のない日々を送っている。仕事は忙しい。社員の仕事を今までの何倍もこなさなきゃいけないし、単純に毎日の勤務時間も長い。
一時的なことだって知っているし、育児中の勤務で融通を利かせてくれている会社への恩返しの気持ちもある。だけど、どうやっても手が足りない。

そして、まりあのイヤイヤがここにきて激しくなってきているのだ。
毎日、修二と楽しく過ごしているのは別として、やはり私と接する時間が少なくなっていることをまりあは感じ取っている。まりあが起きている時間に帰れない日も多く、朝しか会えない。そうなるとまりあは朝から猛烈に不機嫌だ。
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