身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています
5.子はかすがい?



修二にソファドンしてしまった。事故とはいえ、とんでもない失態に私は頭を抱えている。
それと同時に考える。修二に抱き締められたようなあの一瞬はなんだったんだろう。
修二は確かに私に復縁を申し入れた。でも、それはまりあと一緒にいたいからだ。私は完全におまけ。
現に私が拒否すればさらりと引き下がり、今は父親としての役目だけを果たしてくれている。
阿野さんに言われたような『職場にバレて、中途半端な関係を清算するために、私と結婚しまりあを実子扱いにしようとしている』という疑いも、現時点ではなくなった。なにしろ、修二は職場に婚外子の存在をオープンにし、わざわざ時短勤務の申請までしたのだから。
修二はどう思っているのだろう。反射的にやってしまったことなのかな。

「やっぱり、私にはもう興味ないか」

呟いてしまってからはっとする。今、声に出てたよね。誰も聞いてなかったかな。
なにしろ、まりあを保育園に送ってる最中の路上だ。ゆうべからぼうっと考えてしまって、駄目だわ。
まりあはベビーカーにご機嫌で乗り、今日も歌を歌っている。
いいじゃない。私に興味が無くてOK。まりあを囲んでの一時的な関係なんだから。あれは事故! 私はなかったことにしたいし、修二にもそうしてほしい。

「まりあちゃんのお母さん、ちょっとお話が」

保育園に着くと担任の先生に声をかけられた。
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