身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています
「俺はまりあといたいし、陽鞠といたい」
「待って、修二……」
「まりあだけが目的だと、本当に思っているのか?」
私だって、もう薄々わかっている。少なくとも、今現在の修二はまりあだけがほしいのではない。私との幸せだった日々を思いだしている。私がそうであるように。
約一ヶ月の修二との日々、半月の同居、私はけして嫌じゃなかった。この日々があと数日で終わると思うと、惜しいような寂しいような感情があるのは確かだ。
だけど、私がどん底で選択した三年前を、こんなに簡単に有耶無耶にしていいのだろうか。私は修二に頼らず子どもを育てようと決めたのだ。
ここで勢いに飲まれてやり直して、もし駄目だったとき、今度はまりあを深く傷つける。
答えに窮して押し黙っている私。じっと真摯に私を見つめる修二。
まりあは私たちの会話がわかるはずもなく、修二の腕の中できょとんとしている。
その時だ。私のスマホが着信を知らせて鳴りだした。なんだろう。
見れば着信は母のスマホからだ。
「なあに、お母さん」
『陽鞠、あのね。ちょっと大変なことになっちゃって』
電話の向こうの母は切羽詰まったような声をしていた。
「え?」
私は聞き返し、母の言葉に愕然とした。
「待って、修二……」
「まりあだけが目的だと、本当に思っているのか?」
私だって、もう薄々わかっている。少なくとも、今現在の修二はまりあだけがほしいのではない。私との幸せだった日々を思いだしている。私がそうであるように。
約一ヶ月の修二との日々、半月の同居、私はけして嫌じゃなかった。この日々があと数日で終わると思うと、惜しいような寂しいような感情があるのは確かだ。
だけど、私がどん底で選択した三年前を、こんなに簡単に有耶無耶にしていいのだろうか。私は修二に頼らず子どもを育てようと決めたのだ。
ここで勢いに飲まれてやり直して、もし駄目だったとき、今度はまりあを深く傷つける。
答えに窮して押し黙っている私。じっと真摯に私を見つめる修二。
まりあは私たちの会話がわかるはずもなく、修二の腕の中できょとんとしている。
その時だ。私のスマホが着信を知らせて鳴りだした。なんだろう。
見れば着信は母のスマホからだ。
「なあに、お母さん」
『陽鞠、あのね。ちょっと大変なことになっちゃって』
電話の向こうの母は切羽詰まったような声をしていた。
「え?」
私は聞き返し、母の言葉に愕然とした。