夫婦、始めました!
「何がだめだったんだろうな…」

夜、陽茉莉が寝てから、利夫は杏璃に言う。

「わかんない…。
だけど、今まで陽茉莉にしてきた事全部、否定された気分…」

先程から杏璃は俯いている。
利夫は杏璃を抱きしめる。

「杏璃が頑張ってるの、俺は知ってる」

「ありがとう、利夫」

安里は利夫に抱きしめられたまま、抗う事をしない。

「もしかして…偽装結婚がバレたのかもな。
夫婦別姓って言うのは無理があるんじゃないか…?」

「じゃあ、どうするのよ…」

「本当の夫婦になっちゃう…?」

利夫の言葉に、杏璃は戸惑いを隠せない。
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