子連れシンデレラ(2)~スパダリ社長の独占欲は極上の愛~
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私達は石村夫妻の自宅のリビングルームのソファに腰を下ろす。

リビングのローボードには所狭しと拓郎の写真が飾られていた。

「この写真って・・・」

「あ・・・」

私と拓郎のツーショット写真も飾られていた。
柊也さんはあえてその写真を見なかった。

「しかし、見れば見る程瓜二つだ・・・」

二人は拓郎と柊也さんを重ね、愛しそうに見ていた。

「拓郎が戻って来たようだな…」

かっては拓郎の婚約者だった私も居る。それも相まって余計にそう感じていた。
「すいません…貴方方が知っている拓郎のお話をして頂けますか?」

「勿論…お話させて頂きます…」

夫妻は拓郎の話を始めた。

「私達が拓郎を引き取ったのは…拓郎が生後八ヵ月を迎えたばかりの話です…シングルマザーで双子を出産した女性が二人の子供の養育は困難と言う理由で一人を手放したと…乳児院の方にそう訊きました…」

「・・・俺の母は父の愛人で、一人で俺を養育してました。決して、裕福ではありませんでした…拓郎の方が幼少期はいい暮らしをしていたと思いますよ…」

「柊也さん・・・」



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