子連れシンデレラ(2)~スパダリ社長の独占欲は極上の愛~
私は給湯室に入り、サーバーのコーヒーを淹れて二人に供した。

「どうぞ」

「ありがとう御座います」
桜木さんは優しい笑顔と物腰で私に礼を言った。
長身でコンシェルジュの黒服を卒なく着こなし、ロビーのコンシェルジュデスクに立つ彼の姿は貴公子。

桜木さんはVIPのお客様のサポート役を担うとあって、彼はどんな相手に対しても敬意を払う快い態度で接する。私に対してもそれは変わらなかった。
副社長には冷たくあしらわれる私。

彼の態度は対等で私も嬉しい。

「飲もうか?」

「いただきます」
柊也さんの一声で、二人はコーヒーを口に含む。

「社長、これが三週間後、来日し、当ホテルに宿泊される吉良CEOサイドから支配人に届けられた詳しい日程表です…」

「サンキュー」

柊也さんは日程表を受け取り、早速真剣な表情で目を通す。


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