子連れシンデレラ(2)~スパダリ社長の独占欲は極上の愛~
「凛香さんと尚がお話だなんて…珍しいコトもあるんですね」

桜木さんが階段を上がって来た。

「え、あ…桜木さん…居たんですか…」

「…食後の運動と言いますか…」

私は念の為に彼に問いかける。

「私と尚さんの話、訊いてました?」

「・・・少しだけ・・・副社長は孫を切望していますからね…尚さんも大変ですね」
副社長の娘の澪さんを妻に持つ桜木さんも同じプレッシャーを感じてそうに思うけど、何処か他人ゴトのように話した。



「・・・凛香さんも社長と二人目を…」

「はい…桜木さんは…?」

プライベートの質問には一切答えない彼だけど。一応訊いてみた。

「…貴方もしつこいですね…俺がプライベートの質問には一切答えないコトはご存知のクセに」

「ちょっと訊いてみただけです…」

「社長共々似た者同士ですね」

「え、あ…」

「…社長の見舞いの後…澪を誘って食事しました…」

「へぇー・・それはそれは…澪さんも喜んだコトでしょ?」

桜木さんの頬は心なしか赤くなった。

「仕事に戻らないと…貴方もそうでしょ?凛香さん」
桜木さんはテレを隠し、表情を引き締めた。
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