子連れシンデレラ(2)~スパダリ社長の独占欲は極上の愛~
「貴方が大病を患い、死の淵から生還したコトは知っています…その結果、生殖能力を失ってしまった…」

「・・・そうです…だから…凍結した精子に頼るしかありません…」

「…男性は世間体やプライドがあります…体外受精で子を授かるコトに対して…負い目を感じてしまう。
自分に不妊の原因がありながら、不妊治療を妻任せにする夫も少なくないです。結婚すれば…赤ちゃんが出来る…その当たり前が今では当たり前じゃない時代になっている。でも、筒見社長は自分のカラダと向き合い、逃げず、奥さんと共に此処に来た。奥さんのカラダを気遣いながらも…子を授かりと言うキモチもあるんでしょ?」

「・・・息子の玲也に兄弟を作りたいキモチはあります…」

「どうします?このまま進めますか?」

「…お願いします…話を進めて下さい…槇村先生」

「では…このまま話を進めますね…」

「…申し訳ありません…此処まで来て…俺は忙しい貴方の手を煩わせてしまいました。槇村先生」

「体外受精は一つの命の創造を担う医療行為。その命を授かるコトが出来るか出来ないかは俺にも分かりません…ともかく前向きに強い意志を持って、夫婦共々、その出口のないトンネルを歩いて行かなくてはいけません…少しでも迷いがあれば…俺に相談してください…三人で頑張っていきましょう」


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