子連れシンデレラ(2)~スパダリ社長の独占欲は極上の愛~
失ったモノ
意識を戻すと柊也さんの顔が最初に見えた。

「凛香…」

私はぼんやりと彼を見た。

「赤ちゃんは?」

「・・・無理だった…」

「そう…なんだ・・・」
私達の奇跡は持続しなかった。
ひと時の四人家族だった。

彼の子を産むコトがスパダリの柊也さんに唯一出来るコトだと思った。
私と玲也の為に尽くしてくれている彼に何もしてあげられない自分が情けない。

「凛…香!?」

私は一心不乱に大泣きした。

「泣くな…凛香」


「だって…」

私は嗚咽を混じらせ、言葉にならない言葉を吐き続ける。

「凛香…」

彼の顔を見れば、柊也さんの切れ長の瞳は涙で溢れていた。

二人で子を失った悲しみを分かち合った。



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