子連れシンデレラ(2)~スパダリ社長の独占欲は極上の愛~
吉良CEOクラスのVIPのお客様となると世間では、国賓並みの扱いを受け、注目される。
常に自家用ジェットで来日。
警備の数も半端じゃない。
黒沼さんが昼食から戻ると直ぐに『ドラゴンホテル・東京ベイ』の支配人・小早川晃祐(コバヤカワコウスケ)さんにアポイントメントの電話を掛けさせた。

小早川支配人は快くアポを受け入れてくれたけど、お互いライバル関係のホテル。
勢いのある我がホテルにどこまで吉良CEOの情報を提供してくれるか不明。

その黒沼さんの電話の承諾を見届け、食堂に足を運んだ。

「澪さん」

経理部で働く澪さんが一人で窓際のテーブルの椅子に腰を下ろして、ランチを食べていた。

「社長…」

「一人?」

「あ、はい…」

あの気性の荒い副社長の娘とは思えない大人しい性格の澪さん。

姉の尚さんは宿泊部のチーフとして現場を仕切るやり手。
性格も副社長に似ていた。
尚さんは副社長と同じで私に対する態度は冷たいけど、澪さんだけは私のコトを好意的に見てくれていた。


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