子連れシンデレラ(2)~スパダリ社長の独占欲は極上の愛~
「部屋には帰られているんですか?」

「澪が何か貴方に言ったんですか?」

「いえ・・・別に…」

今度は眉間にシワを寄せて急に声の質が冷たくなった。
少しだけ、素の桜木さんを見たかもしれない。

「私は余り…人にプライベートを干渉されるコトには嫌悪感を感じます」

「すいません…」

「…まぁ、澪が何か貴方に言ったのは確かですね…それよりも貴方は社長のコトを心配するのが先決ですよ…」

「・・・」

人当たりの良い桜木さんの豹変した態度に少しだけ恐怖を感じた。
確かに私が出来過ぎた真似をしてしまった。

「後はお二人で大丈夫ですよね…」

「あ、はい…」

「じゃ私はこれで…」

彼は踵を返し、階段方向に向かった。

「ママ、行かないの?」

「行くよ…」

私は余計なコトを訊いてしまったと後悔した。
< 22 / 150 >

この作品をシェア

pagetop