子連れシンデレラ(2)～スパダリ社長の独占欲は極上の愛～

コンコンと誰かがドアをノックした。

「伊集院です。筒見社長」

「あ…俺の担当医の伊集院先生だ。どうぞ…お入り下さい」

「失礼します…」

脳神経外科医の伊集院和寿(ｲｼﾞｭｳｲﾝｶｽﾞ）先生が入って来た。

彼の父親が院長を務める『東亜医科大付属病院』
国の最高峰の医療施設として、全国的に有名。

「具合はどうですか？」

「あ・・・大分良くなりました・・・」

「吉良CEOの接待は大変でしたね…」

「いえ…」

「それよりも・・・半年に一度の定期検診の月ではありませんが…ついでに検診の方、受診しませんか?筒見社長」

「えっ？」

彼は五年前…私と天空島で出逢った当時、脳腫瘍に冒されていた。
成功率の低い難手術を受け、見事生還し、半年一度定期検診を受けていた。
「あ…何か問題でもあったんですか？」

「いえ…」

伊集院先生は否定した。
でも、少し歯切れが悪かった。

「…では、明日の朝にMRI検査の予約を入れておきます…予約状況を見て、時間の方はお伝えに参ります」