ズルくてもいいから抱きしめて。
翌朝、目が覚めると体はすっかり楽になっていた。

昨晩ぐっすり眠れたおかげだな、、、

最近は橋田さんのことで悩んでいたせいで、あまり眠れていなかった。

それなのに、樹さんと話した途端にスッキリしてよく眠れるなんて、、、

私は、自分の単純さに少し呆れた。

「おはよう。気分はどうだ?」

隣で寝ていた樹さんが目を覚まし、私の額に手を当てた。

「もう大丈夫だよ。心配掛けてごめ、、、いや違う。樹さん、ありがとう!」

昨日樹さんが言ってくれたように、“ごめん”じゃなく、“ありがとう”を沢山伝えたい。

胸を張って、堂々と樹さんの恋人でいたい。

「ねぇ、樹さん。」

「ん?」

「私、橋田さんに樹さんとお付き合いして一緒に住んでること伝えたい。今なら自信持って言えると思う。」

「そっか、、、わかった。」

樹さんは安心したように、優しく微笑んでくれた。
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