ズルくてもいいから抱きしめて。
橋田さんとの話を終え、スッキリとした気持ちで自分のデスクに戻ってきた。
「あれ?樹さんまだお仕事ですか?」
残業している人は他に居らず、フロアには私と樹さんの2人だけだった。
「あぁ、、、もう終わるところだから、今日は外で食って帰ろうか。」
残業するような急ぎの仕事なんてあったかな、、、?
あぁ、そうか。
きっと、私が橋田さんと話をするのを待ってくれてたんだ。
「樹さん、、、ありがとう。」
「ん?、、、何食いたいか考えとけよ。」
樹さんは、きっと私が何に対して“ありがとう”と言ったのか気付いているだろう。
でも、あえて気付かないふりをしたのは、樹さんなりの優しさや気遣いなのだろう。
◇
樹さんの仕事が終わるのを待って、私たちは2人で一緒に会社を出た。
会社を出てすぐの所で、見知った姿が見えた。
「よっ!こんばんは。」
「えっ、慎二!?どうしたの?」
「この近くで用事があったついでに寄ってみた。この前泣いてたし、ちょっと姫乃の様子気になってさ、、、その様子だともう大丈夫そうだね。」
「この前は、心配掛けてごめんなさい。でも、もう大丈夫だよ!ありがとう。」
「そっか、それなら良かった。、、、あの、天城さん!」
慎二は、樹さんの方を向きとても真剣な目で樹さんを見た。
「俺は、姫乃に未練があるわけではありません。お互いもう吹っ切れてます。でも、姫乃が悲しんでいたら助けてやりたいし守ってやりたい。いつ気持ちが再燃するかわかりませんよ。そのつもりで、これからも姫乃のこと大切にしてくださいね。」
「はい、肝に銘じておきます。」
樹さんがそう答えると、慎二は満足したように頷いた。
「それじゃあ、俺はついでに寄っただけだから、、、また仕事でな!」
「うん、本当にありがとう!」
私は感謝を伝え、慎二に手を振った。
慎二を見送り、樹さんの方を向くと何やら考え込んでいた。
「樹さん?どうしたの?」
私は、樹さんの顔を覗き込んだ。
「へ〜俺以外の男の前で泣いたんだ、、、ふ〜ん。」
「えっ、それは、、、はい。」
「、、、帰ったら覚えてろよ。」
樹さんは拗ねたような表情から一変し、いつものように口元をニヤッとさせて意地悪な表情をした。
「あれ?樹さんまだお仕事ですか?」
残業している人は他に居らず、フロアには私と樹さんの2人だけだった。
「あぁ、、、もう終わるところだから、今日は外で食って帰ろうか。」
残業するような急ぎの仕事なんてあったかな、、、?
あぁ、そうか。
きっと、私が橋田さんと話をするのを待ってくれてたんだ。
「樹さん、、、ありがとう。」
「ん?、、、何食いたいか考えとけよ。」
樹さんは、きっと私が何に対して“ありがとう”と言ったのか気付いているだろう。
でも、あえて気付かないふりをしたのは、樹さんなりの優しさや気遣いなのだろう。
◇
樹さんの仕事が終わるのを待って、私たちは2人で一緒に会社を出た。
会社を出てすぐの所で、見知った姿が見えた。
「よっ!こんばんは。」
「えっ、慎二!?どうしたの?」
「この近くで用事があったついでに寄ってみた。この前泣いてたし、ちょっと姫乃の様子気になってさ、、、その様子だともう大丈夫そうだね。」
「この前は、心配掛けてごめんなさい。でも、もう大丈夫だよ!ありがとう。」
「そっか、それなら良かった。、、、あの、天城さん!」
慎二は、樹さんの方を向きとても真剣な目で樹さんを見た。
「俺は、姫乃に未練があるわけではありません。お互いもう吹っ切れてます。でも、姫乃が悲しんでいたら助けてやりたいし守ってやりたい。いつ気持ちが再燃するかわかりませんよ。そのつもりで、これからも姫乃のこと大切にしてくださいね。」
「はい、肝に銘じておきます。」
樹さんがそう答えると、慎二は満足したように頷いた。
「それじゃあ、俺はついでに寄っただけだから、、、また仕事でな!」
「うん、本当にありがとう!」
私は感謝を伝え、慎二に手を振った。
慎二を見送り、樹さんの方を向くと何やら考え込んでいた。
「樹さん?どうしたの?」
私は、樹さんの顔を覗き込んだ。
「へ〜俺以外の男の前で泣いたんだ、、、ふ〜ん。」
「えっ、それは、、、はい。」
「、、、帰ったら覚えてろよ。」
樹さんは拗ねたような表情から一変し、いつものように口元をニヤッとさせて意地悪な表情をした。