夫婦未満ですが、子作りすることになりました

「零士さん……」

彼が手を握ってくれて、私はそれを手繰り寄せた。腕を回して抱きついて、ぐりぐりと頭を押し付けて甘える。もう両想いだからこういうことしてもいいんだよね。好きなだけ。違う?

「凛子。かわいい」

彼もベッドに上がった。上にのし掛かり、深くキスを続ける。

「俺のヒーローは最高だな。賢くて、かわいくて、おもしろい」

「や……そのヒーローってやめてください。ただ生意気だっただけなんですから。恥ずかしいです」

高校生の零士さんに叩きつけた失礼な言葉の数々が思い起こされ、目を背けた。あんな私に一目惚れしただなんて、やっぱり零士さんの趣味はちょっとおかしい。

「そうだな。さすがにこんなエロいヒーローはいない」

彼の手は、チェックワンピースの中に入ってきた。
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