夫婦未満ですが、子作りすることになりました

「わ……」

なんだか久しぶりの感覚だ。それどころか、もう焦って子作りを意識しなくていいのだと思うと、いけないことをしている気分になる。だって今までは理由があったけど、これからは理由なく愛し合うんだもの。

彼の手は私を探りながら、キスを落とす。

「ん……んん」

息が熱くて、ぼんやりする。私の方が体温が高いせいだろうか、彼の舌は冷たく感じた。

「……凛子。なんか熱くないか」

零士さんは唇を離して体を起こし、私の首に触れた。

「体温が高いな。風邪ひいてる?」

彼は完全に続きをするつもりはなくなったらしく、心配そうに私のいろいろな部分で体温を確認し始める。寂しい気持ちになりながらも、実は私もくらくらとしていた。
< 103 / 104 >

この作品をシェア

pagetop