夫婦未満ですが、子作りすることになりました
彼に合わせてはいるけど、これは嘘ではないなと自分で感じた。初めは冷たい印象だったが、求愛してくれるようになってからは悪いところが見つからない。漠然と、彼となら結婚だって子作りだってできると思う。
「念のため聞いておくけど。凛子、子どもの作り方は知ってる……よな?」
ひどい! 頬を膨らませて彼の顔を睨む。
「知ってます! バカにしないでください!」
「ごめんごめん。ちゃんとわかった上でそう言ってくれているなら、うれしいよ。俺とそういうことできるってことだろう?」
「で、できます」
ちゃんと想像したことはないけど……できる、と思う。ん? できるのかな……。
「今ちょっとやってみる? 少しだけ」
油断していると額をくっつけられて、眉間がジンと疼いた。視線が絡み合い、ソファの上で体も引き寄せられる。