夫婦未満ですが、子作りすることになりました
彼はポーッとうつろな私の両肩に手を起き直す。とくになにも言わず、そのままチュッと唇を奪われた。
「キスは初日に教えたよな。していい?」
した後に聞かれたが、熱い顔でうなずくともう一度、今度は長いキスをされる。初日だって不意打ちだったし、まだ二回目なのだから慣れるはずがない。呼吸を止め、身を任せた。
「力を抜いて」
力を抜く。意識したらヘニャヘニャと彼にもたれていく。
「口を開けて」
口を重ねているのに? 不可能ではと思いつつ、覚悟を決めて緩めてみた。すると生きてきて初めて、自分の体の内側に誰かの体が入り込む艶かしい感触が広がる。
「んんんっ……」
涙目でギブアップの意思表示をすると、彼は笑みをこぼして唇を離してくれた。不思議なことに、いっぱいいっぱいで耐えられなかったのに、離れたとたんに先ほどの感覚が恋しくなる。
「悪くなかったって顔してるな」
「あ……その」
その通りで恥ずかしい。まだおそらく初体験のさわりだけしか挑戦していないが、すでに虜になってしまった気がする。