夫婦未満ですが、子作りすることになりました
「予習はしなくていいから。こうやってひとつずつ試していくのが一番いい。俺と凛子がよければそれが正解だ」
「は、はい」
「むしろ勉強されると楽しみが減るな。これについては勉強は禁止。わかった?」
そんなこと初めて言われた。零士さん、なんだかおもしろい。もしかしたらこうして私の緊張を解いてくれているのかな。フフッと笑みをこぼしながら「わかりました」と返事をすると、彼の大きな手が頭をなでてくれた。
あったかい。二十四年間知らなかった喜びに心も体も満たされていく。
今まで、叶わないのに夢中になったり、片思いの男性のために時間を犠牲にする友達の気持ちがわからなかったけど、今はわかる。好きという気持ちは理屈じゃなくて、たとえ偽りでもすがりたいと願ってしまうのだ。