メランコリースクール
ああ、何でこんなにも可愛げないんだろう。いつも余計な一言ばっか……。言ってから後悔するのはいつも自分なのに……。

「ありがと!もっと練習して上手くなるよ。練習中の曲を聴いてくれないかな?」

ツンツンしているあたしに対して、ウィリアムは変わらない笑顔で言う。そういうところに心が奪われていって、溺れていくの。

「それでは、聴いてください」

ウィリアムがそう言って弾き始めたのは、切ない恋愛ソング。確か、三年くらい前の歌だったと思う。人気のシンガーソングライターが歌っていて、クラスメートが歌っていたな……。

この歌は、あたしにぴったりの歌だと思う。素直になれなくて好きな人を困らせて、傷付けて、最後に好きな人は別の人を選ぶ。そんな悲しい歌。あたしにお似合いだ。


好きだってあの時、素直になれたなら
君の手を離さないでいられたら
こんなにも泣かなくて済んだのに
結末は何か変わったかもしれないのに

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