My life〜鎖を解いて〜
それから数日、両親と顔を合わせることはなく少しホッとしている。まあ「勉強をしろ」っていう紙は机の上に毎回置かれているけど……。
「美月(みつき)、進路希望調査票を出していないのはお前だけだぞ。締め切りはあと五日くらいあるけどな」
放課後、勉強しに図書室に行こうとすると担任の上原(うえはら)先生に止められた。そしてその言葉に胃が重くなる。
私は受験生。行きたい高校を紙に書いて提出しなきゃいけない。でも、私は行きたい高校がどこかわからない。だって、お父さんたちは「××高校に行け」って名門校ばかり言うから。自分の夢も何もわからない。
「ん?美月、大丈夫か?」
ボウッとしてしまった。私は慌てて「大丈夫です」と言い、何とか笑う。でも上原先生は納得してないみたいだ。
「ちょっと場所を変えよう。話を聞かせてくれ」
「えっ?」
上原先生に連れられて、私は空き教室へと連れて行かれる。いつもならもう図書室で勉強している時間だ。また怒られる……。