私の堕天使さま!
堕天使さま降臨
始まりの放課後
私、神代愛生
どこをとっても平凡な高校二年生。
「そんなの嫌!」
この声は私ではありません。
「うるせえな……」
もちろん、この声も。
只今ものすごく気まずい状況に出くわしてます。
「なんで⁉︎ どうしてあたしじゃダメなの⁉︎」
今ゴミなんか捨てに来るんじゃなかった。
渡廊下の柱のかげに隠れつつ心の中で後悔する。
クラスのゴミ箱がいっぱいになったので、日直の私が放課後に屋外のゴミ捨て場に持ってきたのだけれど。
「いや、だってつまんねぇし」
何故かそのすぐ近くでカップルの破局に鉢合わせ。
共同のゴミ捨て場である倉庫は、第二校舎の裏にある。
そして第二校舎裏といえば、部室棟や第一校舎から程よく離れており、
校内用サンダルでも出ることができて静かで呼び出しには最適な場所として有名だった。
渡廊下を半分まで来たところで彼らに気づいたのもまずかった。
渡廊下を支えている柱は数本。
柱以外に遮るものは何もなく校舎に戻ろうにも気づかれる可能性がある。