私の堕天使さま!
そっと様子を伺うと、眩しいオーラの美男美女が見えた。
フラれているのは、去年の学祭ミスコンで準優勝だったという美人の三年生。
一方、フっているのはというと。
「隆哉!」
「……」
遊び人で有名な二年生の辻元隆哉。
イケメンと噂されるだけあって確かに整った顔立ちだ。
その、せっかくの男前な顔を歪ませ、とても面倒くさそうに頭を掻いている。
怒りで震える彼女には全く興味がないようで、顔すら見ていなかった。
長い話になりそうだし、盗み聞きなんて悪いからそっと校舎に戻ろう。
急いで入ればおそらく気にならない、はず。
そう思い、ゴミ箱を抱えたまま静かに一歩踏み出す。