アクマの果実
「あの...。いつも川の字に寝てるんですか?」

布団を敷いてくれるのはいいけど...。

私を挟んで男二人って...。

「すみません。狭苦しいですよね。僕、もうちょっと端に寄りますね。」

「いえ、いいですけど。
あそこにベッドあるので誰か上で寝たらいいんじゃないですか?」

「よかったら河津さんどうぞ。」

「え...いえ、私は居候なんで、そんな偉そうなことできないですよ。
安澄さんのお家なら安澄さんのベッドですよね?」

「まあ。
でも、布団の方が落ち着くかな。
どうせ何処に寝ても秌場くんがくっ付いてくるし。」

「安澄さん、優しいのであったかいんです。」

「くっつくなら河津さんに。」

「え、私!?」

「秌場が気に入ってるみたいだし。
最近くっつかれてろくに寝れないんで。」

「ちょっ...、え...?
えっと...そういうのは危険っていうか...。」

「まあ、明日には食べられすぎてミイラになってるかもね。」

「そういう危険さもありますけど...。」

「大丈夫です。
くっつかなくても眠れますよ。
今日は美味しいもの沢山食べたので。」

「そ、そうですか...。」

「でも、寒かったら言ってくださいね。」

「いえ、季節的に大丈夫です。」

親戚の子どもたちで集まって寝るわけじゃないんだから、そんなに嬉しそうにしないで...?





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