アクマの果実
ん...。

もう朝か...。


...。


ん?


なんか...だき...。


「...。」


え、え...??



「おはようございます。河津さん。」


「い、いやあ!

な、ななな...なんで、なんでくっついてるんですか!!?」

「...僕も遠慮しようと思ったんですけど...。

河津さんが...。」

「わ、私が、なん、なんなんですか...?」

「えっと...。
言いにくいんですけど。

河津さん、寝るときに抱き枕とか抱いて寝てます...?」

「え...。あ、はい...。」

「きっと...昨晩はそれがなかったので...。」

「え...え?」

「すみません。起こそうとも思ったんですけど、気持ちよさそうにお眠りになっていたので、悪いかなと...。」

そこに、向こうで朝ごはんを作っているらしい安澄が、

「秌場くんにくっついててよく平気だったね。」

と...。

...。

これって、私の寝相が悪すぎたってこと...?


「え、えっと...秌場くん、ごめんなさい...。」

「大丈夫です。寒くなかったですか?」

「...はい。」

マジで私が...。

でも、確かに起きた体勢的には、私が秌場くんを抱き枕にしてました...。

でも、やだな...。

絶対少しぐらい味見されてるし。


...。



秌場くん...。


や、

やばいやばい!

何か変なこと考えようとしちゃった私...。

ちゃんと抱き枕確保しなきゃ...。
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