アクマの果実
学校帰りに2人と歩いていると。

「あ、ツカサにアスミーン、
久しぶりー!」

と、駆け寄ってくる小学生くらいの女の子がいた。

これはもしや、人間じゃない?

服装も、なんか真っ黒だけどひらひらのスカートで。

がっつりとゴスロリファッションだもん。

もう夕方なのに日傘さしてるし。

「リテアさん、お久しぶりです。」

「うん!会いたかったよ、ツカサ。」

「ありがとうございます。そちらはお変わりないですか?」

「うん。元気げんき。
でも日本はあついねー。
それにじめじめする。
でもツカサの血が飲みたいにゃ。」

「すみません。僕は人間ではないので、あまり良くないですよ。」

「じゃあ、そこにいる人間のならいいー?」

「ダメです。
僕の大切なお友達ですから。」

「冗談だよ。
でも、ツカサに人間のお友達ができちゃうなんて。私寂しい!」

「リテアさんもお友達ですよ。」

「お友達かー。
将来のパートナーがいいなー。ね、ツカサ、大きくなったら私と結婚しよ?」

「リテアと秌場くんはかなりの歳の差でしょ?」

「そ。だってまだりぃは7歳だもん!
せめて15歳にならないとそういうのはだめってママが言ってた。」

「15歳でも結婚は難しいよ。」

「なんでー?
リテアはツカサが大好きなのに!
そこの人間ならツカサといちゃいちゃしてもいいわけ??」

「あの...私は別に秌場くんたちとはクラスメイトなだけで...。居候ではありますけど。」

「あなた誰?」

「僕の友人の河津結奈さんです。」

「ユナ?
へー、よろしく。」

「河津さん、この方はリテア・テレジアさんです。」

「ヴァンパイアだよー。怖いでしょ?」

「はい、まあ...。」

「大丈夫ですよ河津さん。
リテアさんは僕の血しか欲しがらないそうなので。」

「汚い血はいらないの。ツカサのだけでいい。副作用出るけど。」

「副作用って、どんな...?」

「普段からお日様は苦手だけど、それがすごく強く感じて、いやあー、ってなるの。
だから暗闇で飲めば平気なの。」

「この前、泣くぐらい苦しんでたじゃありませんか。」

「違うもん。泣くほど美味しかったんだもん!」
< 45 / 79 >

この作品をシェア

pagetop